【体験談】子供の頃、誘拐されてよかった

子供の頃

こんにちは。葵翼です。

ちょっと重たい話でごめんなさい。

つい最近、誘拐被害の後遺症に関する記事を読んで、自らの体験をふと思い出したため、記事にします。

(昔の事なので詳細を覚えている訳ではありませんが…)

僕は小学2年の頃に誘拐されたことがあります。

当時は幼すぎて訳も分からずでしたが、地域の新聞に載ったりもしました。

無事家に帰ることができたため、今こうしてブログを書いていますが、誘拐されたことに対してのトラウマや後遺症は一切ありません。

むしろ今は「あのとき誘拐されてよかった」と思っているくらいです。

誘拐された経緯

僕が誘拐されたのは小学2年の夏です。

下校中に誘拐されました。

下校といっても、両親が共働きで帰りが遅いため家には帰らず、小学校から徒歩10分くらいの場所にある児童会館へ歩いて通っていたんですけどね。

いつもは双子の兄とふたりでじゃれ合いながら下校していました。

しかし、僕が誘拐された日は兄が居残りだったのか(覚えていません)僕ひとりで下校していました。

ひとりで黙々と歩き、”あと3分歩けば児童会館に着く”といったくらいの距離にある交差点で青信号になるのを待っていたところ、自転車に乗った30~40代くらいの知らないおばさんに突然声をかけられました。

「粉を水に溶かして飲むポカリスエット好き?」

あまりおばさんの顔を覚えていないのですが…。

特徴をあげると

・30~40代の女性

・メガネをかけている

・常に優しい笑顔

って感じでした。

(有名ブロガーのち○りんさんのイラストプロフィールに似てるかも…)

そんな知らないおばさんから「粉を水に溶かして飲むポカリスエット好き?」といきなり声をかけられたのです。

僕は少し動揺しながらも、ペットボトルのポカリスエットよりも粉のポカリスエットのほうが好きだったので、正直に「うん」と答えました。

するとおばさんから「私の家すぐそこにあるんだけど、ポカリスエット飲んでいかない?」と誘いを受けました。

今でこそ”知らない人についていっちゃだめ”という教育が子供に対してしっかりなされている印象ですが、当時は今ほどしつこく指導されていなかったように思います。

(僕が大人の話をしっかり聞いていなかっただけかもしれない…)

夏の暑さで喉が渇いていたこともあって、「すぐそこならポカリスエット飲んですぐ児童会館にいけばいいか」と考え、おばさんについて行ってしまいました。

とにかく優しいおばさん

僕は自転車を押して歩くおばさんに連れられ、すぐ近くのおばさんの家へと向かいました。

児童会館に行く方向とは逆方向でしたが、声をかけられた交差点から1分もかからない場所におばさんの家はありました。

おばさんは家に着くなりポカリスエットを僕のために作ってくれました。

喉が渇いていた僕は、すぐにポカリスエットを飲み干しました。

そして、お礼を言って児童会館に行こうと玄関へ歩き出したところ、「おやつも食べていって」とおばさんは優しく僕を呼び止めました。

今考えれば危険なシグナル出まくりですが、当時の僕は「なんて優しいおばさんなんだろう」としか思えず…。

結局僕は、おばさんとソファーに座っておやつを食べはじめてしまいました。

「おかあさんから電話きたよ」

しばらくおやつを食べていると、「少し電話してくるからテレビ見ながらおやつ食べてて」とおばさんは僕に言い、別の部屋へと行ってしまいました。

そして5分も経たずしておばさんは僕の元へ戻ってきて「おかあさんから電話きたよ、今日は児童会館行かなくていいって」と僕に言いました。

「さっきおばさんが誰かに電話するって言ってなかったっけ…」と思いながらも”毎日行っていた児童会館に行かなくて良い”ということが単純に嬉しく、そのモヤモヤはすぐに忘れました。

(自分のことながら子供って単純)

お母さんから電話がかかってきたというのはおばさんの嘘でした。

誘拐犯とは思えない行動

テレビを見て、おばさんと話して、おやつを食べる、という楽しい時間をしばらく過ごしていました。

そうして僕がおやつを全部食べ終えた頃、おばさんは「公園に行って遊ばない?」と優しい笑顔で僕に言いました。

僕は長い間おばさんとふたりで遊びました。

何をして遊んだのかあまり覚えていませんが、楽しかった記憶はあります。

「誘拐した子供と外で遊ぶ」なんて誘拐犯とは思えない行動ですよね。

ものすごい形相で現れた館長

おばさんと夢中になって遊んでいると、通っていた児童会館の館長がものすごい形相で僕の元へと走ってきました。

館長は僕を後ろへやった後、おばさんを怒鳴りつけるようにして何かをひたすら話していました。

そして話を終えた後、館長は電話をして…その数分後に警察が来ました。

なにが起こったかわからない僕

そうしておばさんはパトカーに乗ってどこかに行ってしまいました。

僕は何が起こったのかわからず泣いてしまいました。

おばさんがなぜ僕を誘拐したのか

当時は”誘拐された”という認識がまったくありませんでした。

しかし、警察に連れて行かれたおばさんを見て、”おばさんは悪い人なんだ”ということを認識しました。

両親からは「なんで知らない人についていったのか」とこっぴどく叱られました。

これは大人になって両親から聞いたことなのですが、おばさんが僕を誘拐した理由は「自分の死んだ子どもに僕が少しだけ似ていたから」だったそうです。

また、はじめは誘拐するつもりは一切なく、ただ話したかっただけだったと。

なぜ誘拐されてよかった?

僕は誘拐されたことによって、危険と引き換えに“ある能力”を身につけることができました。

それは、相手の言動や行動を多方面から読み解く能力です。

「優しさには裏がある」ということを幼い頃に身をもって体感したことで、人から優しくされた時は「なぜ優しくしてくれるのか」ということを無意識に分析するようになりました。

その分析により、相手の思惑や本質を簡単に見抜くことができます。

これは優しくされたときに限らずです。

叱れたとき、褒められたとき、貶されたとき…。

もしあの時おばさんに誘拐されてなかったら、僕は優しさにホイホイついていく養分のような存在になっていたかもしれません。

もしあの時おばさんに誘拐されてなかったら、僕は真剣に叱ってくれる両親の愛情に気づけなかったかもしれません。

「子供の頃、誘拐されてよかった…」